法律の条文は、組合員が出資し、意見を反映して事業に従事することで多様な就労の機会の創出や地域における多様な需要に応じた事業が行われることを促進し、持続可能で活力ある地域社会の実現に資することと明記されています。つまり労働者協同組合の人々が主体的に地域へ関わることで、活力ある地域社会が形成されていくことが期待されているのです。
そのうえで私たちが「働く」ことについて大事にしている考え方が2つあります。
1つ目は、「自分らしく働く」「誇りを持って働く」「他者から認められ支持される仕事をする」といった、働く「喜び」や「楽しさ」を実現するということです。こうした考え方は、国際的には「ディーセントワーク」と呼ばれ、「働きがいのある人間らしい仕事」と訳されています。
2つ目は、働くことが「お金を得る」ための手段でありながら、「暮らす・生きる」こととリンクしていることです。自分の「ライフスタイル」を重視しながら、自分に合った「ワークスタイル」を選んでいきます。
労働者協同組合において「働く」ことは、やりがいや生きがいを持って「働く」ことで、どのように「生きる」かを大切にできるのです。
第6回 コラム「労働者協同組合の魅力」について
(2023年7月掲載)
日本労働者協同組合連合会
理事長 古村 伸宏
労働者協同組合法の特徴
労働者協同組合法の基本原理
こうした考え方をベースに、労働者協同組合では、組合員全員で協力し合って主体的・協同的に事業を行います。これを私たちは「協同労働」と呼んでいます。労働者協同組合法の基本原理は、①事業の元手となる出資金を組合員で出し合う(出資)、②事業活動を組合員の意見を出し合いながら話し合って決めていく(意見反映)、③事業活動を組合員が役割分担しながら行う(従事)、というものです。
このような組織運営の仕組みが「協同労働」を具体化します。組合員全員が当事者意識を持って働き、意見を出し合い考え方を共有する中で協同性を高めることにつながります。気持ちよく納得し合うことで、仕事の質と個々の満足度や幸福感を高めることを大切にしています。
このような組織運営の仕組みが「協同労働」を具体化します。組合員全員が当事者意識を持って働き、意見を出し合い考え方を共有する中で協同性を高めることにつながります。気持ちよく納得し合うことで、仕事の質と個々の満足度や幸福感を高めることを大切にしています。
労働者協同組合法の目的
労働者協同組合では、持続可能で活力ある地域社会の実現に資することを目指して事業活動を行います。
例えば、様々な事情や特性を持った人たちが、自分に適した仕事を行うために多様な働く機会を創り出す。組合員にとどまらず、地域やそこで暮らす人々のニーズに応える仕事を興していく。地域をより良くしていくという経営理念を持っているからこそ、儲けることや採算を合わせることを事業の第一目的とするのではない運営を行うことが可能となります。
もちろん事業を継続させるために採算も重視しますが、そのこと以上に仕事の意味や地域のあり方を常に考えながら事業を行うことを重んじます。だからこそ、活力ある地域社会の実現のため、未来や他者のことも考えながら、働くこと・暮らすこと・生きることをみんなで力を出し合って充実させていくという地域像を描けるのです。
例えば、様々な事情や特性を持った人たちが、自分に適した仕事を行うために多様な働く機会を創り出す。組合員にとどまらず、地域やそこで暮らす人々のニーズに応える仕事を興していく。地域をより良くしていくという経営理念を持っているからこそ、儲けることや採算を合わせることを事業の第一目的とするのではない運営を行うことが可能となります。
もちろん事業を継続させるために採算も重視しますが、そのこと以上に仕事の意味や地域のあり方を常に考えながら事業を行うことを重んじます。だからこそ、活力ある地域社会の実現のため、未来や他者のことも考えながら、働くこと・暮らすこと・生きることをみんなで力を出し合って充実させていくという地域像を描けるのです。
労働者協同組合の多様な事業と担い手
すでに設立された労働者協同組合は様々な特徴を持ち、多種多様な業種や分野で事業が展開されています。福祉や介護関連、フリースクールなどの子育て関連、農産物の生産加工販売や自治会と連携した地域事業など地域づくり関連の事業のほか、IT、葬送・成年後見、キャンプ場の運営といった特色のある事業もあります。これらは地域課題・ニーズを解決するために取り組み始めたものです。
またその担い手は、若者・高齢者・障害者・移住者・地域おこし協力隊・個人経営者・地方議員・専門職など実に多彩です。さらに副業として労働者協同組合を立ち上げる、またはNPO・一般社団法人・自治会などの他の法人(組織)と併存し、連携させながら事業を行う、など多様なスタイルで運営されています。
またその担い手は、若者・高齢者・障害者・移住者・地域おこし協力隊・個人経営者・地方議員・専門職など実に多彩です。さらに副業として労働者協同組合を立ち上げる、またはNPO・一般社団法人・自治会などの他の法人(組織)と併存し、連携させながら事業を行う、など多様なスタイルで運営されています。
労働者協同組合の魅力と可能性
「働く」ことがお金を得る手段だけではなく、「働く」意味やその可能性・喜びを見出すことが、労働者協同組合の魅力であり挑戦です。そこには、働く過程の中で認め合い分かり合おうとする協同労働による様々な「関係」の結び直しがあります。すでに「遊ぶように働く」というコンセプトを掲げた労働者協同組合も誕生しています。
仲間や地域とつながりながら労働者協同組合をつくり、協同労働を通じて、「働く」喜びや楽しさを探求してみませんか。
(7月4日現在)
仲間や地域とつながりながら労働者協同組合をつくり、協同労働を通じて、「働く」喜びや楽しさを探求してみませんか。
(7月4日現在)